この記事を読んでいる多くの方が普段から利用しているであろうYouTubeで、有名YouTuberを始めとした多くのアカウントが誤ってBANされている実態をご存じでしょうか。
今回は、YouTubeで相次ぐ卑猥コメントによる“誤BAN”被害について、事象の解説とその背景、そして、被害に遭わないようにするにはどうすればよいのかを解説していきたいと思います。
YouTubeチャンネルを運営している方なら誰しも経験する可能性のある話なので、ぜひこの記事を読んで、対処法を理解していただければと思います。
YouTubeで相次ぐ“誤BAN”被害の事象を解説
まずは、今、YouTubeで起きている誤BAN被害の事象について解説していきます。
BAN(バン)とは、運営側からユーザーのアカウントを強制的に利用停止させられることで、誤BANとは、何らかの事情で、間違えられてアカウントが停止されてしまう事故のことを言います。
YouTubeでリアルタイムにライブ配信するYouTube Live機能において、視聴者は配信中にコメントをすることができますが、今回の事象は、このコメント欄に「卑猥なアイコンを使ったアカウントから、卑猥なコメントが連投される」ことで、YouTubeの自動BAN判別システムに「アダルトな配信である」と誤認させられてしまったことが原因になります。
その為、配信者のチャンネルがBANされてしまうというものです。
最近では、歌い手やVTuberなど、リアルタイムでのライブ配信を行うチャンネルも多く、深刻な問題となっています。
YouTubeのアカウントBANの仕組みについて
では次に、YouTubeで、この誤BANが発生してしまう仕組みについて解説していきます。
「アカウントがBANされる」、つまり利用停止されてしまうのは、YouTubeのルールである「コミュニティガイドライン」から逸脱した行動をとったものとして判断されるためです。
YouTubeの利用者が投稿する動画やコメントなどは、基本的にこのコミュニティガイドラインに違反していないかを基準に判断されています。
2020年9月時点では、法人向けソフトウェア開発の『Domo』の調査によると、YouTubeには1分間に500時間もの動画が世界中からアップロードされていました。
(出典:Domo INFOGRAPHIC Data Never Sleeps 8.0)
それから約2年たった2022年7月現在では、さらに多くの動画がアップロードされるようになっているものと考えられますが、アップロードされる大量の動画の中にガイドラインの違反行為があるかどうかを、人の手のみで判断するのは非常に困難です。
しかし、ガイドラインに違反しているYouTubeチャンネルを野放しにした状態では、誹謗中傷や公序良俗違反などが蔓延し、プラットフォーム自体の信用低下を招きかねません。
その為、「AIによる機械的な一時切り分け」が行なわれています。
今回の事象を引き起こしている悪質なスパム行為は、この人の手によらない「AIによる違反検知システム」の仕組みにつけこみ、明らかに違反となるような卑猥なコメントを連投することで、YouTubeアカウントの誤BANを誘発させているのです。
卑猥コメントで“誤BAN”被害に遭わないようにするにはどうすればいい?
では、今回のように、YouTubeの自分のチャンネルのライブ配信で、卑猥コメントが連続投稿され、誤BANされてしまうことを防ぐにはどうすればよいでしょうか。
誤BAN被害に遭わないようにするには、いくつかの方法が考えられます。
YouTubeチャンネルを誤BANから守る方法
禁止ワード/NG ワードの設定をする
YouTubeは、コメントの禁止ワード・NGワードを登録することができます。
YouTube Studioの「設定」の「コミュニティ」から、ブロックする単語を追加することができます。
投稿されそうなNGワードをきちんと調べて、確実に登録することが重要です。
コメントをチャンネル登録者限定に
コメント(チャット)を、チャンネル登録者限定にします。
ライブ配信管理画面の「ライブ配信」の「編集」の「チャット」から、「メッセージを送信できるユーザー」を「チャンネル登録者」に設定します。
チャンネル登録して、スパム行為を働く場合もある為、必ず他の対策も行ってください。
不適切な可能性があるコメントは保留
YouTube Studioの「設定」の「コミュニティ」の「デフォルト」で「不適切な可能性があるコメントを保留して確認する」と「不適切な可能性があるメッセージを保留して確認する」の両方にチェックを入れます。
「不適切な可能性があるコメントを保留して確認する」には、試験運用版として「厳しい基準を適用する」ができましたが、厳しすぎる可能性がありますので、ご自分のチャンネルの内容で判断してください。
コメントの投稿を低速モードにする
ライブ配信でのコメントの投稿は、低速モードに設定することで連投させないようにすることができます。
チャンネルの所有者、モデレーター、YouTubeのサブスク利用者には、制限は適用されません。 ライブ配信管理画面の「ライブ配信」の「編集」の「カスタマイズ」から、「メッセージ待機」で「低速モード」をオンにします。
モデレーターとは、チャンネル所有者が、指名した特定のユーザーのことで、運営管理を助けてもらうことができます。
モデレーターを設定することも、悪質なスパム行為から身を守る防衛策の1つです。
YouTubeの自分のチャンネルで、まだ設定できていないものがあれば、ぜひ見直してみてください。
YouTubeで卑猥コメントによる“誤BAN”被害に遭ってしまったらどうすればいい?
残念ながら、上記で述べた予防策を徹底していたとしても、YouTubeで誤BAN被害に遭うリスクを完全に排除することはできません。
ここでは、実際にYouTubeで“誤BAN”被害に遭ってしまったらどうすればいいかについて説明します。
上記のような対策をしっかりとしていれば、ある程度防ぐこともできますが、多くのYouTuberは、何も悪いことをしていないのにアカウントがいきなりBANされることがあるだなんて思いもしないので、何も対策されていないのが普通でしょう。
もし、対策をせずに誤BANされてしまっても、配信者に落ち度があるのではなく、悪質なスパム行為が原因である為、誤BANを解除してもらうことができます。
但し、適切な対応を行っても復旧してもらえない例も出ていますので、注意が必要です。
このような場合は、BANされてしまった直接的な原因は、今回、問題になっている卑猥なコメントの連投だったと思いますが、恐らく、今までチェックされていなかった別の規約違反が見つかってしまった可能性が高いです。
もし、誤BANされてしまったら、こちらに落ち度がないと思われる場合でも、ガイドラインを改めて確認し、他にも違反事項がないかしっかりチェックした上で、YouTubeに申し立てを行ってください。
YouTubeの公式ページにも、対処法の記載がありますので、これに従って対応しましょう。
⇒YouTube のコミュニティ ガイドラインの違反警告に関する基礎知識
今回の記事のまとめ
今回は、YouTubeにおいて、卑猥なコメントを連続投稿するという悪質なスパム行為のせいで、“誤BAN”される被害が拡大しているという事象についての解説と対処法をご紹介しました。
YouTubeチャンネルの設定を変更することで、ある程度被害を食い止めることができます。また、不当なBANをされた場合には、速やかに申し立てを行うことで自分のYouTubeチャンネルを守ることもできます。
ぜひこの記事を参考に、自分のYouTubeチャンネルを悪質なスパム行為による誤BAN被害から守れるようにしていただければと思います。
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